2011年4月7日木曜日

新年度を迎えるにあたっての所感

 学生の方たちへ

3.11の東日本大震災以降、皆さんはどこか居心地の悪い、落ち着かない日々を送られていると思います。
東日本の人々の苦境、被災地の遅々として進まない復興。そして収束の兆しすら見えない原発問題。
このような状況下で、普段通りに日常生活を送ることへの違和感、さらには学業を続けることの意味とは何か、そのようなことを考える人がいても何ら不思議ではありません。
被災地の方たちと、皆さんを分けたのは、ただの偶然であり、もし原発を抱えた近県で大地震が起きれば、同じことが起こっても何ら不思議ではないのですから。

それならば、あなたたちには今、被災地の人々や、被災企業や、深刻化する原発に一体何が出来るのでしょうか。
ボランティアのような支援は、一時の苦境をしのぐことはできますが、むしろ被災地には継続的な支援が必要であることは、お分かりでしょう。
そして、それが皆さんには、可能でしょうか。

短期的な支援とともに、長期的な支援というものを考えても良いと思います。
ボランティアで、短期間の支援活動に参加するのも結構です。
しかし、継続的に、金銭的な支援、物資の支援をすることもできるのです。
被災地の現場に立つことだけが支援ではありません。
自分なりのやり方で、5年10年と長期的に被災地を支援できる方法を考えてはどうでしょうか。

教育学部の学生・院生であれば、自分が被災地の教員になることで、子どもたちの支援、殉職された教員の遺志を継いで、地域教育の復興に寄与するということも、考えられると思うのです。

国語教育講座 木村 功